鉛筆画教室・ギャラリーの保谷アートスペース  

【現在改装中】西武柳沢駅より徒歩0分! 初心者でも鉛筆でリアルな絵を描く方法を丁寧に教えます。描いた作品をその場で展示できるギャラリーを併設しています。

【初心者必見】描いてみよう!鉛筆画の制作工程①

制作工程 下書きの進め方

 

さてさて、道具も揃ったことですし、さっそく鉛筆画を描いてみましょう!

 

ここでは数回の記事に分けて鉛筆画の制作過程をじっくり説明していきます。

私は肖像画がメインなので今回描いていくのは『親子の絵』ですが、基本的な流れはどんな絵でも共通する部分が多いので、皆様は人物以外の絵でも大丈夫です。

今回私が描いていくのはこんな写真です。ブログの記事で使用しても問題のないフリー素材を用意しました。

 

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はじめに用意していただきたいのは写真、もしくは画像データです。

パソコンを使用される方は描きたいものが写っている写真データを、パソコンを使用されていない方はプリントされた写真を用意しましょう。

慣れないうちはある程度鮮明で解像力が高い画像の方がいいですね。目安として人物画の場合はまつ毛が確認できるくらいの画像を選びましょう。

 

では早速解説していきます。

 

紙の準備

ケント紙をスケッチブックから一枚だけはがします。

前回の記事でご紹介したKMK KENTを使用する場合は簡単に手で一枚はがせるはずです。

この際になるべく紙の端をつまんで剥がすか、ティッシュなどを使って直接紙に触れないようにしましょう。練習なのでそこまでシビアになる必要はありませんが、紙を直接触れないようにする習慣を今のうちからつけておくと良いですね。

 

紙を一枚はがしたら、裏面に何かしらの目印をつけておきましょう。端っこの方にレ点でも入れておけばOKです。

慣れれば紙の裏表は見てわかりますし、間違って裏面に描いてもさほど問題ではありませんが、紙の種類によっては影響が出る可能性もありますのでこれも習慣づけておきましょう。

 

トレース

さて、紙を用意したら下書きです。

正確な輪郭が取れればどんな方法でも構いませんが、今回は一番手っ取り早いモニターからのトレースで進めます。

パソコンを使わない方はコンビニ等で普通紙にモノクロ印刷した写真をライトボックスに置く、もしくは明るい時間に窓に張り付けてその上からケント紙を張ってトレースしましょう。

 

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こんな感じですね。

画像を開くソフトは何でもいいですが、私はWindowsにデフォルトで入っている『フォト』で開いています。

上手く映らない場合はモニターの明るさを調整するか、適当なフリーソフトで画像の明るさやコントラストを調整してみましょう。

次回以降の工程でも触れますが、画像編集ソフトは扱えるようにしておくと非常に便利なので何かしらインストールしておくことをお薦めします。簡易的な編集から印刷までできればいいので、Photoshop等の専門ソフトまでは必要ありません。

 

紙がたるまないようにマスキングテープを四隅にしっかり貼ります。

ここでの注意点ですが、紙の端の上下左右4mmは描写しないようにしましょう!

理由は後述しますが、どんなものを描くにしても必ず空けて下さい。

 

貼り終わったら部屋の電気を消します。

 

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トレースする際に使用するのはHB位の芯が入った細めのシャーペンがやりやすいです。あくまで輪郭を取るだけなので力を入れすぎず、ゆっくり正確に描いていきましょう。

特に人物画の場合は目鼻口などの位置がずれるとそれだけでおかしい絵になるので、正確に輪郭を取る必要があります。

 

 

 

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簡単そうでしょう?

でもやってみると結構難しいと思います。最初は正確に鉛筆やシャーペンを動かすだけでもうまくいかないものです。

部屋の電気をつけると描いた輪郭線が見やすくなるなるので、こまめに確認しながら進めていきましょう。

 

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こんな感じですね。

私が人物画を描く時に注意している点は目の幅です。画像の子供の目を見ていただくとわかりますが、目の左右に縦の線を引いています。これは目の幅を間違えないようにするための工夫です。

というのも、人物の目というのは笑ったり怒ったりすると目の形は変わりますが、筋肉の構造上、目の左右の幅は変わらないのです。ご興味があればご自身で目の周りに触れながら確かめてみて下さい。

 

カッターボードへの張り付け

輪郭を描き終えたら紙をカッターボードに張り付けましょう。

カッターボードの真ん中に紙を置き、紙の端にマスキングテープを貼っていきます。

この際、紙の端から4mmの位置にテープがかかるように貼りましょう。

先ほど紙の端を4mm空けるようにお伝えしたのはこのためですが、この部分は紙の余白となります。

 

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この余白は絵を額装する際にマット紙がかかる部分なので、描写しても意味がありません。額装しない場合でも均等な余白があった方が絵がきれいにみえるので、どんな鉛筆画でも端の部分は余白を残すことを習慣づけましょう。

ちなみに4mmというのはマット紙を購入する際に元々5mm分余裕を持たせているものが多いということと、絵のバランス的な理由で4mmとしています。

額装についてはまた別の機会にお話ししようと思います。

 

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この状態が下書きの完成となります。

ここまでの手順は慣れてしまえば1時間程度でできるようになると思います。

 

 

今回の記事はここまでとします。

次の記事ではいよいよ実際に鉛筆で描いていきます。

ここまでの作業はそれほど楽しくなかったと思いますが、下書きも重要なのでしっかりマスターしておきましょう。

 

皆様が充実した鉛筆画ライフを送れることを祈っています。

 

 

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