【初心者必見】どうしてリアルに描けない?鉛筆画初心者がやってしまう5つのミス その③

鉛筆初心者がやってしまうミスその③

鉛筆の使い分けができていない

 

鉛筆にはHB、Bなど濃さが異なるものが複数あることは皆さんご存じかと思います。学校では2BやHB辺りの文字が描きやすいものを使用することがほとんどです。

鉛筆には濃さ(硬度)に種類があり、硬さによって描いた際の濃さが変化します。

 

上記の図では4B~6Hとなっておりますが、メーカーによって数は異なります。

ステッドラー社のマルスルモグラフの場合、硬度は12B~10Hまでの24段階となります。

HはHard(硬い)という意味で10Hが最も硬く、最も薄く描写することができます。

BはBlack(黒さ)という意味で12Bが最も柔らかく、最も濃く描写することができます。

HBはHardBlack、FはFarmの略称でどちらもHとBの中間の濃さですが、Fの方がやや硬いです。

分かりやすく硬い順(薄い順)に並べると

10H~H → F → HB → B~12B

 

鉛筆画は基本的にこれらの硬さの異なる鉛筆を使い分けで描いていくことになりますが鉛筆画を始めたばかりの方にとって、どの鉛筆で描くとどれ位の濃さになるかを把握するのは困難です。

初心者の方が失敗する理由として、

・鉛筆を取り換えるのが面倒で、少ない種類の鉛筆で描こうとしている

・それぞれの鉛筆の特性を理解していないのに、たくさんの種類を使いすぎている

 

これらが挙げられます。

 

いきなりたくさんの鉛筆を使い分けようとするとかえって上達が遅くなる可能性がある為、最初は4~6本位から始めて必要に応じて増やしていくと良いでしょう。

 

私がお薦めする鉛筆は

 

・マルス ルモグラフ 4H~4B 

・マルス ルモグラフ ブラック 6B・8B

・シャーペンorenz(ぺんてる) 3本 HB・B・2B

 

特に理由がない限り、ステッドラー社の鉛筆とシャーペンしか使っていません。ほとんどの絵はこれらで描き上げています。

マルス ルモグラフ ブラック 6B・8Bはカーボン鉛筆という種類の鉛筆で暗部のグラデーションを作るのに適しています。

写真のように仕上げたい場合、深い黒をしっかり黒く表現することは重要で、特に黒髪を描くときはこれらのカーボン鉛筆を重宝します。

 

明るいところの階調を作る場合、2Hより硬い鉛筆を使用しなければいけない場合はありますが、初心者の方にはお薦めしません。

硬い鉛筆は筆圧が強いと紙を痛めやすく、紙が凹んでしまうと修正が難しい為、最初は2B位の柔らかい鉛筆から練習すると良いでしょう。

 

本格的に鉛筆画をやる場合、鉛筆はステッドラー社のルモグラフか三菱のハイユニのほぼ2択だと思います。

私の場合は鉛筆画を始めた際、何も知らずに世界堂さんに行った時に目に留まったのがステッドラーのマルスルモグラフだったのでそのまま使い続けていますが、ハイユニも素晴らしい鉛筆です。

 

何かを創る時に道具に愛着があるって結構大事だったりします。

いい道具を使っていると、創作意欲が湧くというかテンションが上がりますし、同じ道具を使い続けた方が上達が早くなるはずです。

ステッドラーと三菱以外にもたくさん鉛筆は存在しますが、初めは無難にどちらかを選び、よりこだわった鉛筆を探すのはその後でも良いと思います。

 

鉛筆を使い分けることは大事と述べましたが、使う鉛筆の種類を増やしたからといって急に上達する訳ではありません。焦らず自分の上達に合わせて使用できる道具を増やしていきましょう。

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【初心者必見】どうしてリアルに描けない?鉛筆画初心者がやってしまう5つのミス その②

初心者がやってしまうミス②

正確にトレースできていない。想像で描いてしまっている

トレースとは絵や写真などの下絵を、その上から別の紙を重ねてなぞるようにして写し取る行為を指します。漫画やイラストをやる方はこのトレースという言葉を嫌う方は多いと思います。

他の方が描いた絵やイラストの構図をそのままトレースして「これは自分が考えた作品だ!」という、いわゆる『トレパク』は著作権等の侵害となるのでアウトです。

こうしたことから絵を描く方の中にはトレース(模写)に対して否定的なイメージを持つ方が多くいますが、私は作品を作る技法としてトレースすることは間違っているとは考えません。鉛筆画を描く上で写真をトレースする行為は一つのテクニックと言えます(もちろんその写真の著作権・肖像権等は守る必要がありますが)

 

絵画は結果が全てです。完成した絵を見た人が絵を評価する際に、あなたがどのような方法でその絵を描いたのかは関係ありません。トレースに限った話ではありませんが、良い作品になると思うのならどんな方法でも使いましょう。過程を気にしすぎて表現の幅が狭くなっては本末転倒です。

私が一番最初に描いた鉛筆画はA4のモノクロ写真を用意し、それを正確にA4のケント紙に模写するというものでした。ただし、トレース台などの道具は使用せず元写真の構図を全て定規で測り、正確に描き写すというものです。

鉛筆の扱い方をじっくり練習したかったのでこの方法をとりましたが、最近はこんな面倒な描き方はしていません。トレースの方法によって消費する時間は変わりますが、出来上がった作品は変わりません。自分に合った方法で取り組みましょう。

様々なトレース方法

トレースの方法もいくつかあります。

・トレース台(ライトボックス)を使用

・画像を表示したモニターに紙を張り付ける

・プロジェクターを使用

それぞれ絵の種類や大きさによってに描きやすい組み合わせがありますが、私はモニターに張り付ける方法が多いです。

プロジェクターは大きい紙にトレースする際に便利ですね。

 

 

トレースする際はに使用するのは細めのシャーペンがお薦めです。

後から消すこともよくあるので、2Hくらいの硬さで描きましょう。

 

トレースを行うにあたって全ての箇所を写す必要はありません。

暗かったり、ぼやけている部分はトレースできないこともありますので、認識できる範囲で写していきましょう。

特にトレースをシビアに行う必要があるのは肖像画・似顔絵を描く場合です。

目、鼻、口は1mmズレたら別人になります!

人間の目は普段から見慣れているのものほど、違和感に気付くようにできています。人の顔はその代表格であり、僅かなズレでも敏感に反応します。

やってる方はわかると思いますが、トレースしても微妙にずれることはよくあります。私は顔のトレースを行う際に少しでも曖昧な部分がある場合は念の為各パーツの長さや位置などを定規で測っておき、違和感に気付いた時点ですぐ修正できるようにしています。

また、人物画を描く場合は必ず顔(特に目)から描くことをお薦めします。

腕や髪の毛を先に描いてうまく描けたとしても、顔をミスったら絵として破綻しており、それまで描いた労力と時間は無駄になるからです。



先日、デッサンと鉛筆画の違いについてお話ししましたが、鉛筆画における下書きとは絵の輪郭線を取ることに当たります。

下書きなのでトレース台で写しても構わないですし、マス目をたくさん描いてトレースしても構いません。正確な輪郭線が一番取りやすい方法で行いましょう。

 

下書きが楽しいと感じられる方はそんなにいません。

どこをどれだけ細密に描き込むか?

どの部分をどの鉛筆で塗るか?

鉛筆画の本当に難しいところや楽しいところは輪郭を取り終わった後にあり、腕の見せ所はトレースすることではありません。

写真は一つの資料です

写実絵画において写真を利用することは一般的ですが、写真をそのまま模写しただけでは良い作品にはなりません。

それでも下書きが重要であることは間違いありませんので、うまく描けないという方はトレースの方法を見直してみてはいかがでしょうか。

 

皆さんの鉛筆画ライフが充実することを祈っています。

 

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【初心者必見】どうしてリアルに描けない?鉛筆画初心者がやってしまう5つのミス その①

 初心者がやってしまうミス その①

デッサン、スケッチやクロッキーと混同している

鉛筆画を始めてみたものの、なかなかリアルに描けない。その理由の一つにそもそも描き方がリアルさを追求する描き方になっていない、というものがあります。

これを理解するにあたって『デッサン』『クロッキー』『模写』等、いくつかの言葉を知る必要があります。

まず、デッサンという言葉。絵を描かない方でも一度は聞いたことがあると思いますが、デッサンと聞くとどういうイメージを持ちますか?

 

恐らくこんな感じで・・・

こんな風な絵を描くイメージじゃないでしょうか。

デッサンとは?

この『デッサン』という言葉、実はかなり曲者で国や人によって捉え方が異なります。

デッサンとは立体的な対象物を観察し、見たままの形や陰影を鉛筆や木炭・コンテなどを使って紙に描くことです。つまり3次元の対象を2次元に描写するということになります。日本語では素描、英語ではDrawingがそれに該当します。

日本ではなぜか鉛筆で描かれた絵画=デッサンと勘違いされることが非常に多いのですが、デッサンの本来の意味や目的を考えるとこれは間違いです。

ダヴィンチ、レンブラントのデッサン

デッサンとよく混同される言葉に『スケッチ』『クロッキー』があります。

スケッチは見たものをざっくりに描くを指し、クロッキーは「速写」とも呼ばれ、動きのあるものなどを一瞬で観察して描くことを指します。どちらも下書きや修練の為に行うというのが一般的です。

 

さて、ここからが本題です。

これらデッサンやクロッキーを繰り返し行っていれば写真のようなリアルな鉛筆画が描けるようになるのでしょうか?

 

答えはNOです。

 

デッサンは絵画の修練において超重要です。極めればそれだけで作品になりますし、デッサンが上手=絵が上手といっても過言ではありません。

しかし、写真のようにリアルな鉛筆画を描くにあたって、デッサンの練習は必要ありません。そもそもやってることも目的も違うからです。

写真と写実絵画

デッサンは主に3次元の対象物を画家自身が把握して2次元で表現すること、もしくは下書きとすることが目的です。それに対してリアル鉛筆画は写真と見間違うほど細部まで描写し、それ自体を作品にすることが目的だからです。

このような写真のようにリアルな絵画は『写実絵画』という種類の絵画であり、油彩やアクリル等、画材を問わず一つのジャンルとして成立しています。

この写実絵画を創作するにあたり、多くの画家が利用するのが『写真』です。

写真というのは当然平面ですので2次元です。2次元のものを2次元に描き起こすことはデッサンではなく『模写』といいます。

 

写真を模写した作品が良いか悪いかは今回のテーマから外れてしまうので割愛しますが、単純に写真のようにリアルな絵を描きたいのであればデッサンと異なる描き方を修練する必要があります。

つまり、デッサンが上手になりたい人はデッサンの練習を、模写が上手くなりたい人は模写の練習をするべきです。

具体的な描写方法は別の記事で説明しようと思いますが、デッサンの絵とリアルな絵を比べた際に、誰が見てもすぐに気が付く点があります

なぜ写真のように見えるか?

デッサンの絵とリアルな絵の違い、それは鉛筆の密度です。

全ての絵画・映像は点の集合体です。

デジカメを使ったことがある方なら『画素』という言葉を聞いたことがあると思います。一枚の写真がいくつの点で構成されているかという数値のことですね。

私はモノクロ写真と鉛筆画の違いには4つの要素があると考えます。

これも別記事で詳しく解説しますが、一番わかりやすいのは点の隙間についてです。

人間が写真を見たときに、なぜそれを写真と認識しているか?これは写真の点の多さによるものです。

写真とは圧倒的な数の点(画素)の集まりなんですね。

最近のデジタルカメラは2000万画素、3000万画素とか平気で撮れてしまいますが、たった100万画素のカメラを使ったとしても撮れた映像は写真に見えるはずです。

これは100万画素しかなくても隙間がないからです。

仮に画素を等間隔に間引いて、隙間をたくさん作ったら一定量間引いた時点で点描のような映像になるはずです。他の処理を加えればデッサン風にもできると思います。

 

鉛筆画は鉛筆の粉を紙に付着させて濃淡を表現します。つまり写真でいうところの画素を粉で表現しているということになります。

 

鉛筆の密度が高い=写真っぽく見える

鉛筆の密度が低い=人の手で描いた絵に見える

 

もちろんリアルに見えるかどうかはこれだけで決まるわけではありませんが、これは鉛筆画の本質の一つです。

リアルに描ける鉛筆画上級者の方々はおそらく隙間を目立たなくするように様々な工夫をされているはずです。綿棒やティッシュを使用して鉛筆を伸ばす方法もこの隙間を埋める方法の一つです。

まとめ

 

写真のようにリアルな鉛筆画を描きたいのであれば、隙間を作らないように描写しましょう!

 

リアルに見せれるかは概ね理屈です。

写真を模写してリアルに見せるだけなら感性とか才能とか、本来絵を描く上で大事なものは正直あまり必要無いのです。

必要なのは感性より知識です。理詰めで描くことに尽きます。

今回はあまり触れませんでしたが、リアルを追求することだけが鉛筆画の正解ではありません。絵画においてデッサンが重要であることは言うまでもありませんし、私自身、写真模写はあくまで修練の一つだと考えています。

 

これから鉛筆画を本格的に始めようと思っている方がこの記事を読んでいただき、参考にしていただければ幸いです。

 

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