制作工程 顔の描写
こんにちは!
前回の記事では下書きまでの手順を説明しましたので、今回からはいよいよ実際に鉛筆で絵を描いていきます。
ここからが腕の見せ所です!
利き手の下にビニールなどを敷きましょう
前回もお話ししましたが、紙を直接触れるのは極力避けた方がいいので描いている間は常にビニールや下敷きなどを利き手の下に敷くようにしましょう。
汗を吸うと紙が変色しやすくなりますし、描写したエリアの鉛筆の粉が伸びてしまって絵が汚くなるからです。
最初に描く場所
さて、ではどこから描いていきましょうか。
髪?顔?それとも背景?迷ちゃいますよね。
正解なんてありません!
と言いたいところなのですが、人物画を描く場合、失敗しづらい手順があるのでご紹介していきます。
肖像画を描く場合、最初に描く場所はズバリ!
目です!
はい。そんな大げさに言うところではないですね(笑)
これには3つの理由があります。
・目は人物画において重要なパーツであること
・最初に描くことで顔全体のバランスを把握しやすいこと
・目は描くのが難しく、ミスしやすいこと
というか、人物画で目をミスるとそこで試合終了なんですよね。
どんなに髪の毛を綺麗に描こうとも、目の大きさや位置を間違えると人物画として破綻してしまうんです。他の場所から描き始めてうまく描けたとしても、目でミスってしまうと水の泡です。万が一、目で失敗して描き直すことになった場合、時間的ロスが少ないというわけです。
もちろん慣れてくれば他の場所から描き始めることもできますが、初心者の方は目から描くことをお薦めします。
それでは描いてみましょう!
目の描写 1段階目
元の画像をよく見ながら、2Bくらいの鉛筆で目を描いてみましょう。
元写真よりやや薄めを意識して描いてみて下さい。
あらら、全然リアルには見えませんねw
でもこれでいいのです。
私は目や顔を描く工程を2つのステップに分けています。
濃淡は後から調整するので、第一段階では目の位置と形、瞳の大きさがわかるレベルで描ければ大丈夫です。二重まぶたも境界がわかる程度に描きましょう。
キャッチライト(瞳の中の光っている部分)がある場合はできるだけ白いまま残しましょう。
描いたら元の画像と並べて、バランスに問題がないかをよく確認しましょう。
この先の工程でも言えることですが、ある程度描くたびに絵と元画像を並べて1m以上離れた場所から観察すると良いでしょう。
トレースにミスがある場合はこの段階で気付けるので違和感があれば修正しましょう。
上の画像では眉毛も多少描いていますが、これはどちらでもいいと思います。
問題がなさそうでしたら次に進みます。
顔の描写 1段階目
続いて目の周りの肌を描いていきます。
ここで考えなければならないのが、どの鉛筆で描いていくか、です。
肌の明るさを決める重要な選択なので、実際に描く前に元の写真をよく観察する必要がありますが、その前に一つお話をさせて下さい。
下の画像をご覧ください。
右がオリジナルの画像、真ん中がオリジナルをモノクロ変換した画像、左はモノクロ変換した画像の明るさを調整した画像です。
鉛筆画を描く際、初心者の方は元の写真をモノクロ化したものを見ながら描くと階調が把握しやすいです。
私はPhotoshop Elementsを使用しましたが、写真をモノクロ化したり明るさ調整できるソフトなら何でもいいと思います。
一般的に絵を描く上で、モチーフをよく観察するというのが重要といわれていますが、写真を見ながら描く鉛筆画において、重要なのは
写真という限られた中でどれだけ多くの情報を把握できるか
これに尽きると考えます。
別の記事でお話しますが、PCモニターもプリントされた写真もデータを再現できる幅には限りがあります。それに加えて人間の目には常に錯覚が付きまといますので、本当の情報を確認するというものは難しいものです。
私がお薦めするのは、元の写真データをよく観察する目的で画像編集ソフトを使用することです。上記の写真のように複数の写真を用意することで初めて確認できる階調があります。
よく観察した上でどのような鉛筆画にするかをイメージできるようにしましょう。
さて、話を戻します。
女性や子供を描く場合、肌を若干明るめに描いた方が喜んでもらえることが多いので、顔については明るめに調整した画像を基準に描こうと思います。
選んだ鉛筆はBです。では描いていきましょう。
この段階ではそれほどシビアに塗らなくて大丈夫です。
ただ、鉛筆の粉の量がなるべく均等になるように塗っていきましょう。
鼻の穴や唇もざっくり描いていきます。
写真を撮り忘れてしまいましたが、下の画像のように唇は肌よりも濃い鉛筆を選びましょう。
今回の場合は2Bで描いています。
とりあえずこれぐらいまで描ければ第一段階は終了です。
お疲れ様でした。
今回はここまでです。
まだまだリアルには見えませんが、顔の明暗がわかるレベルで描けていれば問題ありません。油絵でいうところの下塗りのような状態ですね。
次回からはさらに描き込んでいきます。
皆様が充実した鉛筆画ライフを送れることを祈っています。
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