鉛筆画教室・ギャラリーの保谷アートスペース  

【現在改装中】西武柳沢駅より徒歩0分! 初心者でも鉛筆でリアルな絵を描く方法を丁寧に教えます。描いた作品をその場で展示できるギャラリーを併設しています。

【初心者必見】どうしてリアルに描けない?鉛筆画初心者がやってしまう5つのミス その⑤

初心者がやってしまうミスその⑤

根性が足りない!!

 

このコーナーの最後の一つ、それは根性が足りないということです。

 

結局それかよ!!

 

そう思われるかもしれませんが、初心者の方が最初に乗り越えなければならない壁はここです。私が一番言いたいのはこれであり、他の4つはオマケみたいなものです(今までの記事は何だったのか・・・)

 

極端な話、全ての絵画は本人が完成と言ってしまえばそこで完成です。

鉛筆画もそうであり、どんなに雑に描いても描いた人間がここで終わりと言ってしまえばそこで終わりです。適度なところで完成とするか、納得いくまで描き込むかは画家自身の判断です。

 

初心者の方がすぐに鉛筆画をやめてしまう理由として多いのは

 

「丁寧に描いたつもりなのに綺麗にならないなー」

「他の人はもっとリアルに描いてるのに自分のは全然だなー」

 

せっかく時間をかけて描いたのに、自分の絵に満足できなかったり、他の画家さんと比べてしまったりして自信を無くしてしまうんですよね。

これにはすごく簡単な解決方法があります。すごく単純な話なんです。

 

もっと時間をかけて描いてみましょう!

 

美術の学校にも行っていない、絵の才能なんてこれっぽっちもない私が言うんだから間違いありません。

他の絵のことはわかりませんが、鉛筆画においては努力が才能を凌駕します。

言い換えると、センスよりもかけた時間の概念がものすごく強いんですね。

 

綺麗にならないのなら綺麗になるまで何度でも描けばいいし、自分の絵より他の画家さんの絵が良く見えるなら、その画家さんより時間をかければいいんです。

もちろん、画家さんごとにそれまで積み重ねてきた練習量や知識には差があり、初心者の方が40時間かけて描いた絵と、熟練画家さんが40時間かけて描いた絵には差が出ます。

では、その初心者の方が40時間ではなく、300時間かけて描いたらどうなるでしょう?おそらく、リアルさという点においては熟練画家さんを超えた絵になります。

 

初心者の方にお伝えしたいこととして、何時間かけても構いませんので自分が納得できるクオリティの絵をたった1枚だけでいいので描きましょう

この際に描く絵は、自分が気に入っている写真や、自分が一番気に入っているモデルさんの画像など、思い入れしやすい写真を選びましょう。ただし、構図が簡単すぎたり、階調が少なすぎる写真はNGです。

 

この1枚を描くことが無茶苦茶大事です!

なぜかというと、その絵のクオリティがあなたが他の鉛筆画を描く際の基準となるからです。あなたの目がそのクオリティに慣れるのです。

それ以降に絵を描く際、最初よりクオリティを下げたくないという心理が働くはずで、雑な絵は描かなくなります。

また、他の画家さんの絵を見た際、一目でどこを手抜きしてるかわかるようになり、後々必要となってくる手抜きの効果の勉強ができます。

 

知識や技量が足りなくてその1枚が描けないのであれば、他の紙で筆圧の練習したり、鉛筆を一旦置いてスマホなどで描き方を調べましょう。もちろんこのブログの記事を参考にしていただいても結構です^^

目的はその1枚を描くことのみなので、他のことは一切考えなくていいです。

時間効率とかコスパとか、そういうのを気にしなければならなくなるのは、ずーっと先の話です。

 

私はこの1枚を描き上げることが鉛筆画初心者を卒業することだと思います。

私は最初の1枚目が1年以上かかりました。

会社員であったこともありますが、それでも1000時間は超えているはずです。

 

その頃はSNS等もやっておらず、周りに絵をやっている人間は誰もいなかったので暑い日も寒い日もひたすら1枚のA4の紙に向かって一人描き続けました。

 

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それがこの作品で、私の目はこの作品が基準となっています。

この絵が描き終わってから人物画や動物を描くようになりましたが、難なく描くことができるようになりました。

 

この記事ではリアルに描けない理由として、根性が足りないとお伝えしましたが、人間はゴールが見えない道を走り続けるのは辛いと感じる生物です。

初心者の方は自分のクオリティを決定づける『本気の1枚』を描き上げることが一つのゴールとするのが良いと思います。

(このゴールの先には険しい山々がたくさん並んでいる訳ですがw)

 

最後になりますが、

私がこのコーナーで皆様に鉛筆画のノウハウをお伝えしているのは、初心者の方に挫折してほしくないからです。

鉛筆画をやる人間なんて、極極極わずかしかいません。

せっかく同じことをやろうとしているのに、ちょっとした勘違いや失敗で仲間が鉛筆を辞めてしまうのが残念で仕方ないのです。

 

画家の苦労や喜びは、画家にしかわかりません。

私はプロとして活動していますが、収入がどうこう以前に、鉛筆画を通してもっと多くの人と関わりたいと思っておりますので、鉛筆画のことで相談したいこと等があれば気楽にお問い合わせフォームやTwitterなどでご質問いただければと思います。

 

皆さんの鉛筆画ライフが素晴らしいものになることを心から祈っております。

 

 

【初心者必見】どうしてリアルに描けない?鉛筆画初心者がやってしまう5つのミス その④

初心者がやってしまうミスその④

描く環境が安定していない

 

皆さんはどのような場所で鉛筆画を描いていますか?

リビングでお茶を飲みながらリラックスして描くこともあれば、受験勉強のようにデスクに向かって黙々と描くこともあるかもしれません。

 

今回の記事は鉛筆画を描く環境についてのお話です。

前回までの記事と比べると重要性はやや低くなるかもしれませんが、意外と盲点になる内容なので一緒に確認していきましょう。

 

あなたが描いた鉛筆画を一枚手元に用意してください。これから始める方はその辺の紙に2B位の鉛筆でちょっと塗ってみて下さい。

 

私も検証の為に描いてみました。謎の球体です(笑)

普通に部屋の中で見るとこんな感じです↓

 

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明るい窓の近くで見てみるとこんな感じになります↓

 

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どうでしょう?

光の当たり方によって鉛筆で描いた部分の濃さや階調がかなり変わって見えるのがわかるのではないでしょうか。

 

そうなんです。鉛筆画は光の当たる角度によって見え方がかなり変化します。

反射してしまって黒く描いた部分が白っぽく見えたりしてしまうんです。

これがけっこう厄介で、描いている最中は気付かないのに完成した絵を別のところに持っていくと、「あれ?なんかイメージと違う」なんてこともありますね。

 

鉛筆の種類や描き方によって反射する度合いが変わります。

私は鉛筆画が反射することを「テカリ」と呼んでいますが、鉛筆画においてこのテカリが起きてしまうのは仕方がないことだと考えています。

鉛筆ごとの反射率などの詳しいことは別記事で詳しく解説するつもりですが、これは芯の材質が関係しており、カーボン鉛筆は反射しづらい等の特徴があります。

 

鉛筆画を始めたばかりの方は「だから?何?」と思われるかもしれませんが、この鉛筆の反射と描く環境の注意点というのは重要な関係があります。

 

今回の記事の本題である、描く環境が安定しないというのは、

 

鉛筆画を描く場所の光が安定していない

 

ということです。

 

初心者の方に対してですが、慣れてくるまで鉛筆画を描く場所は毎回同じ場所で描きましょう。そして絵に当たる光はできる限り毎回同じ状況にしましょう。

ほとんどの方がご自宅で描いているかと思いますが、窓のすぐ近くなどで描いてしまうと天気や時間によって日の光が変わってしまうのでお勧めしません。

 

また、紙全体に均一の光が当たるようにしましょう。

特に注意したいのがデスクの上で描く場合ですが、卓上照明などを置かれている方は、紙の片方だけ強い光が当たる等のことが起こらないように照明の位置に注意しましょう。

 

こういったことを意識せずに鉛筆画を描いていると、見るたびに濃さが変わって見えてしまい、本来修正しなくていい場所を修正してしまったり、絵の箇所ごとに明るさが違う変な絵になったりする可能性があります。

また、鉛筆ごとのの基本的な濃さを理解することの妨げにもなってしまいます。

 

少し余談になりますが、絵に当たる光を意識するというのは、絵画全般で非常に重要なことのようです。

描く時に描写を安定させるという目的はもちろん、個展や展示会で絵を展示するのにあたって、光の量や角度でどのような見えるかを理解しておかなければ、作品の価値を下げる可能性すらあります。

私が油絵を教わっている先生は、絵の展示会場とアトリエの環境を可能な限り近くする為に、元々あったアトリエの光源を一式別のものに交換したそうです。

 

私が描いている環境は自室で、絵を描くためのデスクに座った際にやや後ろの天井側から光が照らされるようなっており、デスク上には位置を移動できる間接照明が一つあります。

 

また、原画の写真や画像に対しても同じことが言えます。

何かしらの原画を観ながら描くことになるわけですが、この原画を置く位置やモニターの角度等についても毎回できる限り同じにしましょう。特にモニターで確認しながら描く場合はモニターの輝度を一定にしておく必要があります。

私の場合はほとんどモニターを見ながら描いているのですが、描きやすくする為に元データと併せて元データをモノクロ化し、明るさとコントラストを調整したデータの2枚を参照しながら描いています。

これらデータを表示するためのソフトも毎回同じにしており、できる限り同じ見え方になるように工夫しています。こういったことも環境を統一させるということの一つと言えるかと思います。

 

この記事はあくまで描く環境を統一させることの重要性をお伝えしているので、鉛筆が反射する理屈については深く触れていませんが、これについては私自身もまだまだ理解できていない部分が多いです。

複数の鉛筆で同じ個所を重ねて塗ったりした場合や、塗った部分を綿棒などで擦った場合に反射が変化するので、把握しながら描くことは困難だと思っています。

 

今回は絵を描く環境についてお話しました。

皆さんがより充実した鉛筆画ライフを過ごせることを祈っています。

 

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【初心者必見】どうしてリアルに描けない?鉛筆画初心者がやってしまう5つのミス その③

鉛筆初心者がやってしまうミスその③

鉛筆の使い分けができていない

 

皆さんは鉛筆の種類がどれだけあるかご存じでしょうか?

5種類?10種類?

いえいえ、もっとあります。

 

なんと!

22種類もあります!!

 

※2020年の時点。現在は更に種類が増えています

細かく分けるともっとあります。

小学生の時に使用したのはせいぜい3~4種類だと思いますが、デッサンや鉛筆画を目的とした本格的な鉛筆は、硬さ(濃さ)が少しずつ異なる鉛筆が様々あります。

鉛筆には硬さがあり、その硬さによって描いた際の濃さが変化します。

鉛筆の端っこの方にあるアルファベットと数字がその鉛筆の硬さを示しています。

22種類というのは具体的に次のようになります。

 

・H~10H

・B~10B

・HB

・F

 

HはHard(硬い)という意味で10Hが最も硬く、最も薄く描写することができます。

BはBlack(黒さ)という意味で10Bが最も柔らかく、最も濃く描写することができます。

HBはHardBlack、FはFarmの略称でどちらもHとBの中間の濃さですが、Fの方がやや硬いです。

分かりやすく硬い順(薄い順)に並べると

10H~H → F → HB → B~10B

 

鉛筆画は基本的にこれらの硬さの異なる鉛筆を使い分けで描いていくことになりますが、初心者の方はこう思うはずです。

 

「そんなたくさんの鉛筆使い分けられないよ!」

「気軽に始めたいのに22本も揃えないといけないの?」

 

大丈夫です。そんなに使わないので安心してください。

むしろ最初は少ない種類で練習した方が上達も早くなります。

私がお薦めする鉛筆は後ほど紹介いたします。

 

初心者の方が失敗する理由として、

・鉛筆を取り換えるのが面倒で、少ない種類の鉛筆で描こうとしている

・それぞれの鉛筆の特性を理解していないのに、たくさんの種類を使いすぎている

 

これらが挙げられます。

 

 鉛筆選びをしっかりしないとせっかく丁寧に描いても台無しです。

鉛筆を削るのがめんどくさいからといって、横着しないようにしましょう。

 

さて、じゃあ私がお薦めする鉛筆を紹介しましょう!

一通り使った上での紹介ですが、完全に独断と偏見なので、もし上級者の方々がこのページを見て「こいつ適当なこと言ってんな~」と思っても見逃してやってください><

 

私は普段ステッドラー社の鉛筆とシャーペン(他社)しか使っていません。

・マルス ルモグラフ 4H~2B 

・マルス ルモグラフ ブラック 6B・8B

・0.5mm以下のシャーペン 3本 HB・B・2B

 

ほとんどの絵はこれらで描き上げています。

マルス ルモグラフ ブラック 6B・8Bはカーボン鉛筆という種類の鉛筆で暗部のグラデーションを作るのに適しています。

写真のように仕上げたい場合、深い黒をしっかり黒く表現することは重要で、特に黒髪を描くときはこれらのカーボン鉛筆を重宝します。

私はこの鉛筆で髪を描くのが大好きで、一番消費が激しい鉛筆はルモグラフブラック8Bになります。

 

というのもこの鉛筆、しょっちゅう折れるんですよw

ただでさえ使用頻度が高いのに、削った直後に根元からボキッっとね。。。折れた芯が顔の部分で擦れた日にはこっちの心が折れそうになります。

まぁ元々軟らかい鉛筆だから仕方ないのかもしれませんし、私の削り方や筆圧に問題があるのかもしれません。

ステッドラーさん、もしこの記事を見てくれていたら濃さはそのままで強度だけ少し改良してほしいです(←見てるわけない)

 

明るいところの階調を作る場合、2Hより硬い鉛筆を使用しなければいけない場合はありますが、初心者の方にはお薦めしません。

硬い鉛筆は筆圧が強いと紙を痛めやすいんです。

紙に変な跡がついてしまうと修正が難しい為、最初は2B位の柔らかい鉛筆から練習すると良いでしょう。

 

本格的に鉛筆画をやる場合、鉛筆はステッドラー社のルモグラフか三菱のハイユニのほぼ2択だと思います。冒頭で鉛筆の種類は22種と説明いたしましたが、ハイユニはちゃんと22種あるのに対し、ルモグラフは20種類(10Hと10Bがない)となります。

※2021年7月追記

現在、ルモグラフは12Bまであります

 

その代わり(?)ステッドラー社はルモグラフブラックが4種あります。

 

ハイユニもいいと思います。描き心地とてもいいですし。

私がステッドラーを選んだ理由は2つあります。

 

一つ目はルモグラフブラックがあること。

二つ目は・・・

 

名前とデザインがかっこいいから!!

 

私が鉛筆画を始めようと、何も知らずに世界堂さんに行った時に目に留まったのがマルスルモグラフだったわけですね。

高級鉛筆!渋いブルーのデザイン!ドイツ製!

形から入るタイプなので、これだ!と思って購入したわけです。

それ以降、こればっかり使ってます。

 

それだけ?

はい。それだけです。

 

でもね、何かを創る時に道具に愛着があるって結構大事だったりするんですよ。

いい道具を使っていると、創作意欲が湧くというかテンションが上がるというか。

それに同じ道具を使い続けた方が学習しやすいですし。

結局ハイユニとか他の鉛筆を試したのは鉛筆画を始めて1年以上後になります。

 

また手持ちの8Bがなくなりそうだから買ってこないとなー。通販でもいいけど画材店行くとテンション上がるから行ってこようかなー。

 

・・・あれ。この記事なんの話してたんでしたっけ?

 

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