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【現在改装中】西武柳沢駅より徒歩0分! 初心者でも鉛筆でリアルな絵を描く方法を丁寧に教えます。描いた作品をその場で展示できるギャラリーを併設しています。

【初心者必見】どうしてリアルに描けない?鉛筆画初心者がやってしまう5つのミス その②

初心者がやってしまうミス②

正確にトレースできていない。想像で描いてしまっている

 

トレース?いきなり何言ってるの?インチキじゃん!

 

はい、そう考える方はこのページを閉じましょう。

どうも絵を描く方の中にはトレース(模写)に対して否定的な考え方を持つ方が多くいますが、私は作品を作る技法としてトレースすることは間違っているとは考えません。

 

もちろん、他の方が描いた絵やイラストの構図をそのままトレースして「これは自分が考えた作品だ!」というのは著作権侵害となりますのでアウトです。

著作権やパブリシティ権等についてはここでは割愛しますが、鉛筆画を描く上で写真をトレースする行為は一つのテクニックと言えます。

この技法はダメ!この描き方は邪道!

こういったものは全て先入観です。アートの世界で一番要らない考え方です。

 

絵画は結果が全てです。

完成した絵を見た人が絵を評価する際に、あなたがどのような方法でその絵を描いたのかは関係ありません。

トレースに限った話ではありませんが、良い作品になると思うのならどんな方法でも使いましょう。

 

少し余談になりますが、どうも日本人は絵の評価をするにあたって、画家と作品を併せて評価する傾向が強いようです。

音楽の世界で歌と歌手の人物像、ビジュアル等を併せて評価されることが多々あるのと似ているのかもしれません。

絵の作者の人物像、人間性はプロとして絵を売るのなら意識するべきですが、それは絵の描き方以外の部分でアピールしましょう。そういったことを気にしすぎて表現の幅が狭くなっては本末転倒です。

 

話を戻します。

私が一番最初に描いた鉛筆画はA4のモノクロ写真を用意し、それを正確にA4のケント紙に模写するというものでした。ただし、トレース台などの道具は使用せず元写真の構図を全て定規で測り、正確に描き写すというものです。

 

鉛筆の扱い方をじっくり練習したかったのでこの方法をとりましたが、これ以降はこんな面倒な描き方はしていません。トレース台等でトレースしても結果は変わらないと確信したからです。だからこれから始める方はこんな苦行はしなくて大丈夫です(笑)

 

トレースの方法もいくつかあります。

・トレース台(ライトボックス)を使用

・画像を表示したモニターに紙を張り付ける

・プロジェクターを使用

 

それぞれ絵の種類や大きさによってに描きやすい組み合わせがありますが、私はモニターに張り付ける方法が多いです。

プロジェクターは大きい紙にトレースする際に便利ですね。

トレースする際はに使用するのは細めのシャーペンがお薦めです。

後から消すこともよくあるので、2Hくらいの硬さで描きましょう。

 

トレースを行うにあたって全ての箇所を写す必要はありません。

輪郭線を正確に写し取ることを意識しましょう。

細かい毛や輪郭がはっきりしない部分はトレースできないこともありますので、描いてる最中に位置関係がわかるように薄く目印をつけておくといいです。

例えば光が当たっている髪の毛とか、服の細かいシワとかですね。概ねこの範囲からこの範囲という形で線を引いておくといいです。

 

絶対にトレースをミスってはいけないのは肖像画・似顔絵を描く場合です。

 

目、鼻、口などのパーツは1mmズレたら別人になると思った方がいいです!

 

人間の目は普段から見慣れているのもの程、違和感に気付くようにできています。人の顔はその代表格であり、僅かなズレでも敏感に反応します。

芸能人やモデルを鉛筆でリアルに描かれている方が多くいらっしゃいますが、99%の方が正確にトレースしているはずです。

やってる方はわかると思いますが、たかがトレースといっても結構難しいですし、神経使います。私は顔のトレースを行う際に少しでも曖昧な部分がある場合は念の為各パーツの長さや位置などを定規で測っておき、違和感に気付いた時点ですぐ修正できるようにしています。

また、人物画を描く場合は必ず顔から描くことをお薦めします。

腕とか髪の毛を先に描いてうまく描けたとしても、顔をミスったら絵として破綻しており、それまで描いた労力と時間は無駄になるからです。

 

先日、デッサンと鉛筆画の違いについてお話ししましたが、鉛筆画における下書きとは絵の輪郭線を取ることに当たります。

下書きなのでトレース台でやろうが、マス目をたくさん描いてトレースしようがその人の自由です。正確な輪郭線さえ取れればいいのです。

 

下書きが楽しいと感じられる方はそんなにいません。

どこをどれだけ細密に描き込むか?

どの部分をどの鉛筆で塗るか?

鉛筆画の本当に難しいところや楽しいところは輪郭を取り終わった後にあり、画家としての腕の見せ所は、トレースすることではありません。

 

それでも下書きが重要であることは間違いありませんので、うまく描けないという方はトレースの方法を見直してみてはいかがでしょうか。

 

皆さんの鉛筆画ライフが充実することを祈っています。

 

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【初心者必見】どうしてリアルに描けない?鉛筆画初心者がやってしまう5つのミス その①

 初心者がやってしまうミス その①

デッサンと混同し、デッサンの描き方で描いている

 

鉛筆画とはその名の通り『鉛筆で描いた絵画』のことであり、鉛筆による描写のみで絵画として成立しているものを指します。

鉛筆だけで描かれた絵画であればリアルでなくても鉛筆画といえますが、話がややこしくなるので、この記事ではリアルさを追求するという前提で話を進めます。

 

よく混同されるのが『デッサン』ですが、デッサンとは3次元のものを2次元に描き起こすための素描、いわゆる下書きです。

 

「絵画の基本はデッサンでしょ?」

「デッサンを極めればリアルな鉛筆画も描けるようになるんじゃないの?」

 

これから本格的に絵の勉強をしようとしている方はそう考えるかもしれません。

 

 

断言します。

デッサンを何度繰り返しても写真みたいなリアルな鉛筆画にはなりません!

 

デッサンは絵画全般においては超重要です。極めれば作品と呼べるレベルになると思いますし、デッサンがうまい=絵がうまいといっても過言ではありません。

しかし、リアルを求める鉛筆画においてデッサンの練習は必要ないですし、描き方に変な癖がつくのでむしろやらない方がいいぐらいです。

 

デッサンは作品の構図を画家自身が把握する為に行うことであり、目的はあくまで下書きです。下書きなのだからリアルである必要がありません(空間的にはリアルでないといけないかもしれませんが)

それに対して鉛筆画は鉛筆で描写した部分は全て作品の一部となります。下書きではありません。

つまり、デッサンと鉛筆画は鉛筆で絵を描くという行為は同じであるものの、目的が全く違う故、描き方も全く異なります。

鉛筆画のみ上達したいのであれば、デッサンとの区別を明確にしておくことは重要といえます。

 

現に私は本格的に鉛筆画を始めてから、まともにデッサンを行ったことは一度もありません。

というかできません。3次元を2次元にするとか、空間がどうだとか、そんなの素人の私がわかるわけないです(笑)

そういうのはすっ飛ばし、モノクロ写真と鉛筆画の違いを研究するところから始めました。

一応捕捉しますが、私はデッサンを行っている方を馬鹿にしているわけじゃありません。むしろ本当に上手いデッサンを観ると感動します。

デッサンの定義も様々ですし、心理的な美まで追求する上では欠かせないことかもしれません。ただ現時点の私が考える鉛筆画の表現においては必要ないと言いたいのです。

 

デッサンといえばナイフで鉛筆の芯を長めにするように削って、画用紙に対して鉛筆を寝かせてシャッシャッ・・・というイメージが強いですよね。

鉛筆画においてもそのテクニックは必要なのですが目的が少々異なります。

デッサンも鉛筆画もその動作で濃淡を調整しているわけですが、写真のようにリアルに表現したい場合、この動作だけでは不足です。

これはなぜかいうと

 

ズバリ!

白い箇所が残りすぎる為です。

 

具体的な描写方法は別の記事で説明しようと思いますが、デッサンの絵とリアルな絵を比べた際に、誰が見てもすぐに気が付く点はここでしょう。

 

全ての絵画・映像は点の集合体です。

デジカメを使ったことがある方なら『画素』という言葉を聞いたことがあると思います。一枚の写真がいくつの点で構成されているかという数値のことですね。

私は10年以上カメラ関係の仕事をしていたので写真の仕組みは理解しているつもりですが、モノクロ写真と鉛筆画の違いには4つの要素があると考えます。

これも別記事で詳しく解説しますが、一番わかりやすいのは点の隙間についてです。

 

どんな写真でも構いません。写真を見てください。

ほら、明るくて真っ白な所以外、どこにも隙間なんてないでしょう?

 

びっしりなんです。写真とは圧倒的な数の点の集まりなんですね。

最近のデジタルカメラは2000万画素、3000万画素とか平気で撮れてしまいますが、たった100万画素のカメラを使ったとしても撮れた映像は写真に見えるはずです。

これは100万画素しかなくても隙間がないからです。

仮に画素を等間隔に間引いて、隙間をたくさん作ったら一定量間引いた時点で点描のような映像になるはずです。他の処理を加えればデッサン風にもできると思います。

 

これは私の想像ですが、鉛筆画の上級者の方々はおそらく全員、この隙間(紙の目)の処理を様々な方法で工夫されているはずです。

綿棒やティッシュを使用して鉛筆を伸ばす方法もこの隙間を埋める方法の一つです。

 

さて、ここまで読んでいた方はこう思ったんではないでしょうか?

 

なんか理屈っぽいなー

 

そう思ったなら正解です。

鉛筆画は感性とか才能とか、本来絵を描く上で大事なものは正直あまり必要無いのです。

必要なのは感性より知識です。理詰めでリアルに描くこと、それに尽きます。

 

鉛筆で描いたデッサンもいいと思います。

眉間にしわを寄せて描いた写真のような絵よりも、ざっくり描いた絵の方が素敵という方もいるでしょう。

 

私はリアルを追求した鉛筆画を絵画だとは考えていませんが、理屈っぽい性格なので性に合っているし、本当に求めているテーマがリアルに描くことの先にあるので日々創作に励んでいます。

 

これから鉛筆画を本格的に始めようと思っている方がこの記事を読んでいただき、参考にしていただければ幸いです。

 

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メインコンテンツ『鉛筆画工房』にて、私自身の経験に基づいた鉛筆画の作画技法等について記事をあげております。

立ち上げたばかりのブログですので、見づらい部分があると思いますが、随時ブログデザインも改良していきますのでご容赦願います。

2021年4月より鉛筆画の受注制作を開始いたしました!

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