鉛筆画制作工程 服の描写~仕上げ
こんにちは!
少し間が空いてしまいましたが、皆さん鉛筆画を楽しんでいますでしょうか?
私は新たな作品を描き始めてテンション↑↑です!そっちに夢中でブログが放置だったわけですが(笑)
さて、ざっくりと鉛筆肖像画の描き方を説明してきた本コーナーですが、今回の記事が最後になります。
ここまでの工程である程度鉛筆の扱いにも慣れてきたのではないでしょうか。技術的なことは繰り返していればいずれ身につくはずなので、鉛筆の選択や塗り方等、覚えた知識を忘れないようにしましょう。
前回は子供の服を描いていたところでしたね。
ちなみに画像がちょっと傾いて伸びたように見えてしまうのはカメラのセッティングをミスったからです(泣)
言い訳になってしまいますが、こんな感じで撮影しています。
子供の髪と服の描写
髪の描き方は母親側の際に説明しましたので、詳細は省きます。
赤ん坊の髪の毛は量が少ないので頭皮が見える範囲が広くなります。
元写真をしっかり見て頭皮が見える範囲を把握し、しっかりと肌の階調を作ってから髪の毛を描きましょう。
ルモグラフブラック8B、6B、シャーペンで髪の毛を描写しました。
母親側の髪の毛と重なる部分は、子供の髪の毛の方が若干明るかったので消しゴムで消して境界がある程度わかるように調整しました。
だいぶ進みましたね。
余談になりますが、夫婦・親子・カップル等、二人を一枚の紙に描く場合、どちらの人物を明るく描くかを意識すると良いですね。
この辺りは画家の感覚になりますが、一般的に男性よりも女性、親よりも子供、を明るく描いた方が相手に喜ばれると思います。
今回の絵も子供側を若干明るく描くことを意識しています。
さて、この絵ももうすぐ完成ですが、子供側の服がまだ半分残っています。
世の中には様々な服があり、素材、形、柄など多種多様ですが、多くの鉛筆画家さんを悩ませる服として『ニット』があります。
ニットは鉛筆で表現するのが難しく、本気で描こうとすると恐ろしく時間がかかります。
今回の子供の服には一部ではありますがニットっぽい部分が含まれます。
首の周りの白い生地ですね。
初心者の方には難しいと思いますが、一応ニットの表現方法を簡易的に説明するとこんな感じになります。
①縫い目の影を一つずつ2H~4Hほどの硬い鉛筆で薄く描く。根性が続く限り描く。
②描いた縫い目の上から練り消し、もしくは消しゴムを押し当てる(練り消しだと消えすぎるのでペンタイプの消しゴムの方が良いかも)
③わずかに薄くなった線に対し、①で使用した鉛筆よりも硬い鉛筆で上から描き、線の中心から外側に向かって僅かなグラデーションをかける。
上手くいかない場合は周りが汚れないように②と③を繰り返します。
影の面積にもよりますが、綿棒を使用すると鉛筆が伸びすぎてしまって周囲が汚くなることがあるのでお勧めしません。
また、ニットの服全体の外側は大体極細の毛に覆われているのでそういった部分も何らかの方法で白抜きする必要があります。
今回の絵に関しては幸いにも(?)面積が少ない上、そこまで軟らかい質感ではなかったので、ササっと仕上げていきます。
分かりづらいと思いますが、描いた線に対して消しゴムを押し付けて薄くしています。
とりあえず、どのような縫い目になっているかがわかるように描写することを目標としましょう。
服を描き終わったら、ようやく完成!と言いたいところですが、まだ残っている箇所があります。
最後まで描かなかった母親側の右側の髪ですね。
このタイミングで描けば紙を汚さずに済みます。
完成から最後の仕上げ
こちらが完成品となります!
参考にしたのは以下の3枚の画像です。
やや母親側のまつ毛が多かったのと、唇の濃さが足りなかったのが反省点ですね。
絵が完成したらどの部分が足りなかったのかを考察して、次の作品に活かせるようにすると上達が早くなると思います。
これにて終了!と言いたいところですが、最後にやることがあります。
鉛筆画は非常にデリケートで、ちょっとした摩擦などで鉛筆が伸びてしまったり薄くなったなったりしてしまいます。
完成した作品にはフィキサチーフをかけましょう。
フィキサチーフはいわゆる定着液で、これをかけておけば鉛筆が落ちづらくなります。
画面より40cmくらい離し、画面と平行に移動させながら左右、上下、均一に吹き付けます。
薄く吹き付けるのがコツです。定着が弱い場合は二度、三度掛けます。一度に多量に吹き付けると液が流れたり、色が滲んだりすることがありますのでご注意下さい。
って、フィキサチーフの裏に書いてあります(笑)その通りに使用しましょう。
最後に
いかがだったでしょうか。
皆さんも鉛筆画が完成しましたでしょうか?
たかが鉛筆といっても意外と奥が深く、最初はうまくいかないかもしれませんが、繰り返し描くことで必ず上達します。
気軽に描き始められるというのが鉛筆画の魅力の一つでもありますので、今後も皆さんがたくさんの作品に挑戦できることを祈っています。
こういった内容を記事にするのは初めてで、説明がうまくできていない部分も多々あったかと思いますが、少しでも参考していただければうれしいです。
もしもこの記事を読んでいただけた方で、感想や今後記事にしてほしい内容などがございましたら、Twitterよ当ブログのお問い合わせよりいただけれるとうれしいです。
皆様の鉛筆画ライフが充実することを祈っています。