鉛筆画教室・ギャラリーの保谷アートスペース  

【現在改装中】西武柳沢駅より徒歩0分! 初心者でも鉛筆でリアルな絵を描く方法を丁寧に教えます。描いた作品をその場で展示できるギャラリーを併設しています。

全日肖展にむけて

全日肖展まであとわずか!

まだ6月なのに最高気温30度。これも地球温暖化のせいなんですかねー。

 

さて、今年の全日肖展まで一か月を切りました。

全日肖展とは、全日本肖像美術協会(全日肖)が主催する肖像画のみの美術展で、

東京都美術館にて毎年7月に行われています。

 

私は吉田秋光先生より油絵を教わっており、この度こちらの公募展の小作品部門に出展することとなりました。

吉田先生からは日々多くのことを学ばせていただいており、私が最も敬愛する大先生です。先生は全日肖展にて内閣総理大臣賞を受賞しており、現在は全日小肖展の審査員でもあります。

 

私は今回が初出展となりますが油絵1点、鉛筆画2点の計3点を出展予定です。

 

出展する絵は前から決まっているので問題はなかったのですが、悩んだことが2つほどあります。

 

絵のタイトル

絵の題名・・・うーん普段あまりつけてないんだよなぁ。

Twitterとかでは時々タイトルつけてアップしているけど、あれはかなりテキトーなんですよね。

公募展となるとプレートにタイトルが載るわけだしある程度しっかりと決めないといけません。さて困りました。

 

とりあえず過去の全日肖展の作品一覧をみて、どんな感じのタイトルが多いのか探ってみることにしました。

 

・・・。

 

・・・?

 

・・・???

 

バラバラすぎて余計分からなくなった

 

これひょっとしてテキトーでいいんじゃない?

って思えるくらいバラエティ豊かでした(笑)

 

当たり前ですが、絵はタイトルで決まるものではありません。

分かってはいるんですが、それでも私は何か一捻りした名前を付けたい。

私が次にとった行動はGoogleを開くことでした。

 

とりあえず、絵を観てイメージした言葉を検索し、意味や類語を調べていくことにしました。

あーでもない、こーでもない。

色んな単語をメモしながら、数時間経過。

 

ようやく決まりました!

 

・モノクロームへの誘い

・小夜の渇望

・明日の雨上がり

 

どうでしょうか。

それっぽいタイトルがつけられたので、さっそく公募展の応募はがきに3点の作品名を記入します。

こういったタイトルつけるのも慣れなのかもしれませんので、今後は公募展などではなくともタイトルをつけるようにしていきたいと思います。

 

額選び

鉛筆画を額装することはあっても、油絵のキャンバスを額装したことがないので、正直どのように額を選べばいいかわかりません。

 

サイズはF12ですが、額装した時のイメージがあまり湧きません。額の色、材質などで絵の雰囲気がかなり変わるはずなので迷います。

 

とりあえず行きつけの世界堂で額を実際に見てきました。

 

・・・うーん、色々あるけどいまいちピンとこない。

それに、額って結構高いんですよね。

 

とりあえず何も買わずに家に帰りました。

 

正直、額にあまりお金をかけたくないし、公募展が終わった後は家に飾る程度ですので、そこまで良い額を選ぶ必要がないと思います。

 

考えた末、結局楽天市場で購入することにしました。

まだ届いていないのでイメージに合うかはわかりませんが、当初予定していた金額よりかなり抑えることができたので、うまくいけば今後も通販を頼りたいですね。

 

搬入まであと10日!

作品は6/20に直接搬入する予定です。

小作品のみなので、電車で運べますが来年以降に大きい作品を描くことになればそうもいかないでしょうね。

こういった展示会に参加するのは生まれて初めてなので、とても楽しみにしています。

 

全日肖展は7月2日~7月8日までの開催となります。

多くの先生方の作品が観られる展示会となりますので、もしもこの記事を読んで肖像画にご興味がある方がいらっしゃいましたら、ぜひご来場いただければと存じます。

 

次は搬入が終わりましたらまた記事にしたいと思っています。

 

【初心者必見】描いてみよう!鉛筆肖像画の制作工程⑤

鉛筆画制作工程 服の描写~仕上げ

 

こんにちは!

少し間が空いてしまいましたが、皆さん鉛筆画を楽しんでいますでしょうか?

私は新たな作品を描き始めてテンション↑↑です!そっちに夢中でブログが放置だったわけですが(笑)

 

さて、ざっくりと鉛筆肖像画の描き方を説明してきた本コーナーですが、今回の記事が最後になります。

ここまでの工程である程度鉛筆の扱いにも慣れてきたのではないでしょうか。技術的なことは繰り返していればいずれ身につくはずなので、鉛筆の選択や塗り方等、覚えた知識を忘れないようにしましょう。

 

前回は子供の服を描いていたところでしたね。

 

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ちなみに画像がちょっと傾いて伸びたように見えてしまうのはカメラのセッティングをミスったからです(泣)

言い訳になってしまいますが、こんな感じで撮影しています。

 

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子供の髪と服の描写

髪の描き方は母親側の際に説明しましたので、詳細は省きます。

赤ん坊の髪の毛は量が少ないので頭皮が見える範囲が広くなります。

元写真をしっかり見て頭皮が見える範囲を把握し、しっかりと肌の階調を作ってから髪の毛を描きましょう。

 

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ルモグラフブラック8B、6B、シャーペンで髪の毛を描写しました。

母親側の髪の毛と重なる部分は、子供の髪の毛の方が若干明るかったので消しゴムで消して境界がある程度わかるように調整しました。

 

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だいぶ進みましたね。

余談になりますが、夫婦・親子・カップル等、二人を一枚の紙に描く場合、どちらの人物を明るく描くかを意識すると良いですね。

この辺りは画家の感覚になりますが、一般的に男性よりも女性、親よりも子供、を明るく描いた方が相手に喜ばれると思います。

今回の絵も子供側を若干明るく描くことを意識しています。

 

さて、この絵ももうすぐ完成ですが、子供側の服がまだ半分残っています。

世の中には様々な服があり、素材、形、柄など多種多様ですが、多くの鉛筆画家さんを悩ませる服として『ニット』があります。

ニットは鉛筆で表現するのが難しく、本気で描こうとすると恐ろしく時間がかかります。

今回の子供の服には一部ではありますがニットっぽい部分が含まれます。

首の周りの白い生地ですね。

 

初心者の方には難しいと思いますが、一応ニットの表現方法を簡易的に説明するとこんな感じになります。

 

①縫い目の影を一つずつ2H~4Hほどの硬い鉛筆で薄く描く。根性が続く限り描く。

②描いた縫い目の上から練り消し、もしくは消しゴムを押し当てる(練り消しだと消えすぎるのでペンタイプの消しゴムの方が良いかも)

③わずかに薄くなった線に対し、①で使用した鉛筆よりも硬い鉛筆で上から描き、線の中心から外側に向かって僅かなグラデーションをかける。

 

上手くいかない場合は周りが汚れないように②と③を繰り返します。

影の面積にもよりますが、綿棒を使用すると鉛筆が伸びすぎてしまって周囲が汚くなることがあるのでお勧めしません。

また、ニットの服全体の外側は大体極細の毛に覆われているのでそういった部分も何らかの方法で白抜きする必要があります。

 

今回の絵に関しては幸いにも(?)面積が少ない上、そこまで軟らかい質感ではなかったので、ササっと仕上げていきます。

 

 

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分かりづらいと思いますが、描いた線に対して消しゴムを押し付けて薄くしています。

とりあえず、どのような縫い目になっているかがわかるように描写することを目標としましょう。

 

服を描き終わったら、ようやく完成!と言いたいところですが、まだ残っている箇所があります。

最後まで描かなかった母親側の右側の髪ですね。

このタイミングで描けば紙を汚さずに済みます。

 

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完成から最後の仕上げ

 

こちらが完成品となります!

 

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参考にしたのは以下の3枚の画像です。

 

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やや母親側のまつ毛が多かったのと、唇の濃さが足りなかったのが反省点ですね。

絵が完成したらどの部分が足りなかったのかを考察して、次の作品に活かせるようにすると上達が早くなると思います。

 

これにて終了!と言いたいところですが、最後にやることがあります。

鉛筆画は非常にデリケートで、ちょっとした摩擦などで鉛筆が伸びてしまったり薄くなったなったりしてしまいます。

 

完成した作品にはフィキサチーフをかけましょう。

フィキサチーフはいわゆる定着液で、これをかけておけば鉛筆が落ちづらくなります。

 

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画面より40cmくらい離し、画面と平行に移動させながら左右、上下、均一に吹き付けます。

薄く吹き付けるのがコツです。定着が弱い場合は二度、三度掛けます。一度に多量に吹き付けると液が流れたり、色が滲んだりすることがありますのでご注意下さい。

 

って、フィキサチーフの裏に書いてあります(笑)その通りに使用しましょう。

 

最後に

いかがだったでしょうか。

皆さんも鉛筆画が完成しましたでしょうか?

 

たかが鉛筆といっても意外と奥が深く、最初はうまくいかないかもしれませんが、繰り返し描くことで必ず上達します。

気軽に描き始められるというのが鉛筆画の魅力の一つでもありますので、今後も皆さんがたくさんの作品に挑戦できることを祈っています。

 

こういった内容を記事にするのは初めてで、説明がうまくできていない部分も多々あったかと思いますが、少しでも参考していただければうれしいです。

もしもこの記事を読んでいただけた方で、感想や今後記事にしてほしい内容などがございましたら、Twitterよ当ブログのお問い合わせよりいただけれるとうれしいです。

 

皆様の鉛筆画ライフが充実することを祈っています。

 

【初心者必見】描いてみよう!鉛筆肖像画の制作工程④

鉛筆画制作工程 髪の描写2段階目~服の描写

 

こんにちは!

今日も元気に鉛筆画を楽しんでいきましょう!

 

前回は顔の描写2段階目まで描きました。

 

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今日は髪の続きと服を描いていきます。

 

髪の描写2回目

 

先に髪を描きますが、このあたりの順番は前後しても問題ありません。

ただし、顔にかかっている髪は必ず顔の階調が完成していることを確認してから描きましょう。

顔の階調が完成していない状態で顔の上の髪の毛を描いてしまうと、後から顔の階調を整えるのは難しくなります。

また、顔の上の髪の毛を描くのに失敗して消しゴムをかけてしまうと、当然顔の階調も一緒に消えてしまいます。ここは一発勝負だと思って慎重に描きましょう。

 

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今回の場合は2Bのシャーペンだけで描けましたが、まとまった前髪等の場合はルモグラフブラックを使用する場合もあります。

滑らかな曲線を一発で描く自信がない場合は別の紙で曲線を描き、軽く手を慣らしてから描くのもよいかもしれませんね。

 

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ついでに光が当たっている髪のグラデーションも再度整えていきます。

言葉で説明するのは難しいですが、細かい線はシャーペン、階調を作る際は2H~2B、真っ黒なところはルモグラフブラック6B~8B、と鉛筆を使い分けます。

髪の毛はいくらでも時間をかけることができますので、納得するまで描いてみましょう。

 

服の描写

 

今回の絵は元々服がそれほど複雑ではないので、さっくり描き上げていきます。

服に関しては顔や髪と比べると重要度は低いですが、それでも雑に描きすぎるとそこに目が行ってしまいますので描くべきところだけはしっかり描きます。

 

ではどこをしっかり描くべきか?

それは、服のシワです。

 

シワの描写によってその服の質感や立体感は大きく変わります。

柔らかそうな服、ぴったりした服、人間がそう判断する上で服のシワによる効果はかなり大きいと言えます。

 

では描いていきましょう。

元の画像をよく見て、シワの長さや位置を間違えないように描いていきます。

 

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とりあえずこんな感じで場所や長さが把握できるようにHB位の鉛筆で描きます。

今回の絵は結構ぴったりした感じの服なのでシワは少ないですね。

シワのラインが描けたら、服全体の塗りに入ります。

顔を塗った時と同じように鉛筆を変えながら塗っていき、グラデーションをかける部分は綿棒で伸ばします。

 

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こんな感じで進めます。

母親側の服はたまたま無地でしたが、柄があった場合でも最初に全体の階調を整えるところは同じです。

私は鉛筆画を始めた頃、柄を全部残してその部分を避けながらグラデーションを作っていましたが、無茶苦茶時間がかかりますし、グラデーションが汚くなったのでこの方法に変えました。

結婚式用のドレスとか白を美しく残さないといけない場合は除いて、白抜きも後から消しゴムを描ける方法でいいと思います。

 

今回の制作工程の記事では子供側の描写については大幅にカットしようかと思いますが(母親側と大差ない為)、子供が着ている服には柄があるのでその部分はお話しします。

 

先述の通り、先にシワと全体の階調を描いてから柄を作ります。

細かいストライプ状の柄でしたので、柄のラインに合わせて消しゴムで消していきます。

 

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こんな感じで白抜きをした後に、再度鉛筆で描き込んでいきます。

 

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子供側の服はシワの隙間がかなり暗かったのでルモグラフブラックを使用しました。

服に限ったことではないですが、暗部はしっかりと黒で塗ると絵にメリハリが出ますし、リアルに見せるコツですね。

 

よくある構図として、肩に髪がかかっているケースがありますが、その場合も顔の時と同じように髪の奥側にある肩を先に描いた方がうまくいくと思います。

つまり、物体が重なっている場合は奥にあるものから描いていった方が良いということですね。

境界線がハッキリしているものはどちらから描いていっても問題ないですが、細かい髪の毛や服の毛とかが手前にある場合は奥側にあるものを優先して描くことをお薦めします。

 

今回は少し短いですが、これ位にしたいと思います。

おそらく今回の絵の制作工程は次回の記事が最後になるかと思います。

 

鉛筆画を始めたばかりの方で分からないことがあればお答えしますので、お気軽にブログ内のお問い合わせやTwitterのDMなどからご質問いただければと思います。

 

皆様の鉛筆画ライフが充実することを祈っております。

 

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